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四国甲浦で24kgモンスターとの激闘

  • infodekaban
  • 4月7日
  • 読了時間: 3分


私が恩師に出会う前、29才の時に24kgのクエを仕留めた時の話を紹介したいと思う。

当時の釣り仲間の兄弟に四国、高知県の甲浦(かんのうら)で良い釣果がでているとのことで釣行の誘いがあり、話を聞いた私は喜んで同行することにした。 当時、四国へ行くには橋がないので、陸路ではなくフェリーの太平洋ルートで向かうことになった。 18時50分南港発のフェリーに乗り込み、二等船室を取ったが、初めての甲浦ということもあり、興奮して、うつうつとしか眠ることが出来なかった。


ボーっとしていると甲浦港に到着し、その後、光本渡船さんに”クラセ磯”へ上げてもらった。


当時、私が和歌山に通っている際の石鯛のエサとしては”サザエ”又は”ナガレコ”が主流だったのだが、甲浦では”ガンガゼ”というウニが主流だった。

私はエサが変わったことで勝手がわからず、アタリも何もないまま昼を迎えることなった。


昼食をとる為に3人とも一度、港の待合所に戻った。 午前中の結果が結果なので、このまま続行するより半夜釣りの「クエ」を狙うことにした。

クエ用のエサを手に入れる為、近所の魚屋で刺しエサとして”ムロアジ”を30匹を仕入れた。

ついでに調理で廃棄した魚のガラも撒き餌にするためにもらった。


クラセ磯に戻ったのは夕方の5時ごろ。 午後9時甲浦発大阪港行きのフェリーで帰阪する為、慌ただしく半夜釣りの準備をした。 そんな中、仲間と三人で半夜釣りをする予定だったのだが、兄弟二人はどういう訳か

魚のガラを撒いた後に半夜釣りをキャンセルして待合所に帰ってしまった。


一人残された私は、夜釣りが初めてということもあり、夜の磯に孤独という状況に恐ろしくなり、自分も帰るか、はたまた一人でも釣りをするかの選択に迫られた。 撒き餌もした上、帰ればせっかく仕入れたムロアジ30匹が無駄になる。 帰った二人には腹が立つが仕方がないので、やむなく一人で半夜釣りを決行した。 時間は経つにつれ6時、7時とだんだんと暗くなり、不安と寂しさが入り混じる。

時計が7時を回ったころには、もう真っ暗闇。

海面の夜光虫がボーっとひかりだす。 夜光虫が集まって塊になり、こっちへ迫ってくると非常に不気味な感じでゾッとする。

カッパをかぶり、ジーっとして悪い想像ばかりしていると、吹く風の音ですら恐怖を覚える。


もう釣りどころではない、自分もやめて帰ればよかったと、自暴自棄になりかけていたその時に、竿の穂先に取り付けてある「鈴(夜は穂先が見えない為)」が、チリチリン!と鳴り出した。


愛竿”マリンロッド”が、竿元から曲がり海中に潜りこんでいく。

とっさに身構え、火事場の馬鹿チカラで竿を力いっぱい引き起こし、夢中でリールを巻く。

激闘の末、左手で道糸をたぐりリールを巻くと、ようやくクエがボコッと音を立てて海面にその巨体をさらす。


喜び勇んで、”ギャフ(魚をひっかけて磯に上げる道具)”で足元へ引き上げる。 そのあまりの大きさや、仕留めたことの嬉しさが言葉にならない。

先程まで夜光虫や風におびえていた自分はどこへやら。

「矢でも鉄砲でも持ってこい!」とばかりの強気な自分に、人間とは本当に現金なものだなぁと思った。


その後、船頭さんが迎えに来てくれて、待合所では先に帰った二人が居て、私の釣果を祝福してくれた。

光本船頭が言うには甲浦では24kgのクエは初めてだそうだ。

時間がないので、急いでクエをトロ箱に梱包し、フェリーへ持ち込んだ。 乗客もその大きさに驚き祝福してくれた。 私は味を占め、これをきっかけにクエ釣りにハマりだしたのだった。













 
 
 

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