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一生に一度の体験。

  • infodekaban
  • 3月28日
  • 読了時間: 5分


今回、サンタ磯研ブログにギャラリーを新設した記念にトップを飾った

この写真の当時の状況を掘り下げて紹介したい。


種子島の磯釣りは潮の流れで釣果がほぼ決まると言っても過言ではない。

大潮の始めの鹿児島へ向かう潮の流れは「登り潮」と言い

逆に竹崎方面へ流れる潮を「下り潮」と言う。


しかし沖の潮の流れはそうであったとしても、大潮から小潮へ向かう場合と

小潮から大潮に向かう場合とで違いが生じる。

磯に当たる潮はその日によって変わるが、種子島の全ての磯場を攻略してきた

私の経験上、種子島で釣れる石鯛の9割方がイシガキダイであり 潮が瀬に当たる状況が釣果をあげるにはベターであると私は考えている。



当日はベタ凪、AM7時出船。船頭の向井さんに上がりたい磯はどこかと尋ねられ

”大モッチョ”も良い感じだったが、”チョッポの割れ”を選択。

しかし、船を瀬の方につけてもらうのが無理であると判断して、磯の裏側に

船をつけてもらった。

竿袋、バケツ、エサをもって、釣り場まで高さ約8~9m、海面まで約15mは あろうかと思われる高さまで、ロープ1本での命懸けロッククライミングである。


なんとか、釣り場までたどり着き、海を見下ろすと、磯の名前の通り”割れ”と言う

だけあって磯と磯の間(溝)があり、そこにはハリセンボンが2匹戯れていた。

なにせ初めてのポイントなので胸が高鳴る。


ロッドはダイコー100号、リール40H、道糸30号、針はガマ石17号をセッテイングする。

エサの伊勢海老の身を糸で巻き、足をもぎ取って撒き餌として投げ入れた。

海溝の沖側に投入するも、水深が2~3mと浅い。

一度巻き上げて、右側に投入すると5~7m位あった。


様子を見ながら、伊勢海老の解体とエサ作りを行う。

竿を上げるもエサはそのまま。

ポイントを少し上げて3~4m位の位置で竿先を足で止めているとグーグーと穂先に反応が。


手持ちに切り替えると、ズーっと竿先が海面へ向けて絞り込んだ。


竿を溜め、その重量感に「よし、来た!」とリールのハンドルを握るも、一瞬にして 30号の道糸をブチ切られ、あっけに取られたまま空振りに終わる。


石鯛が居ることを実感するも、もしかして警戒されてしまったのではと考えたが

反面、磯の高さからして高切れなので大丈夫かと考えながら2投目を同じところへ投入。

海底に着くやいなや、スグに抑え込みが来る。

本物(石鯛)じゃないだろうと半信半疑な反面、再度の当たりに喜びを隠しきれず

今度こそとばかりに、逸る気持ちでリールを巻き取ろうと海面に持ち込まれた竿先を

起こした途端、”ズッズッ!”と音がして道糸がプツンとあっけなく切れた…


茫然自失とはこのこと。2度もバラしてしまった状況に頭が真っ白。

至極残念で仕方がないが、2度もチャンスをくれた石鯛に感謝しながら、同じポイントは 流石にもうムリだろうと、別の少し深いところへ投入するもまるっきり当たりがない。 後悔の念にさいなまれ、落胆しながらダメ元で2度バラしたポイントへ再度投入する。 ところが予想に反し、すぐさま穂先が海面に突き刺さる程の強烈な当たりが!

三度目の正直、この一匹を獲れれば満足、今度こそはバラすまいと慎重になる。


道糸はどんどんリールから出ていく。

しばらくすると竿がフッと浮いた、その瞬間にリールのストッパーを掛けると同時に

合わせをくれてやった。

道糸は沖の方へと水しぶきを上げながら走っていく。

ガッチリとした手応えに”折れ式(全磯連大阪支部ホームページ「研究会について」にて

解説してます)”に構えて、リールを巻こうとするが巻くに巻けない程、道糸がビーン!

キーン!と、けたたましい音をかなでて走っていく。

強烈な引きと2度もバラしている緊張に「頼む!切れてくれるなよ!」と、つぶやく。


長時間に渡る格闘の末、ようやく口白石鯛が姿を現す。

記録は81cm、9.1kgの大物だった。 これがこれまでの自己最高記録のデカバンになる。

偶然にも磯には3m程度離れたところにタイドプール(海水の水溜り)があり

このデカバンを”いけす”の如く、そこに泳がせて、今日の釣果はこれで満足と一安心した。


もしやと、嬉しい気持ちを押さえつつ、また同じポイントに投入を試みる。

すると、同様にグッ!グッ!とまた強烈に穂先を海中へ締め込む。

まさかまさかと”ドラッグハンドル(全磯連大阪支部ホームページ「研究会について」にて解説してます)”を駆使しての2匹目をゲット。


こうなればと、開き直って急ぎ、エサを投入。

するとウソのようにまた穂先が海中めがけて入っていく。

前述の”折れ式”でやりとりするも、もう腕も手も疲労で思うようにリールが巻けない。 嬉しいやら疲れるやらでどうにか3匹目もゲット。


また水深の深いところにも再度投入をしてみたが、やはり当たりはなく

もう流石にないだろうと思いながら、3匹を釣ったポイントにまた投入してみる。

モソモソとした当たりがあったかと思った瞬間にまた穂先が海中に飲み込まれていく。

疲労困憊でありながらも4匹目をゲットしたが、まだ時間は10時過ぎ。 船が迎えにくる16時までには、まだまだ時間がある。

同じポイントに投入し続け、5匹目~6匹目と続き、最終的には10匹で大満足。

16時頃、迎えに来た船頭の向井さんに5匹+5匹をロープに結んで船から引き上げてもらった。


しかしバラしたのを含めると12連発。

竹崎の沖の船釣りでは、毎日20~30匹の口白石鯛が釣れたとのこと。

型もだいたい揃っていることから、この経験から今思うと石鯛は”群れる”ということだ。


 
 
 

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